移動祝祭日

勘弁してくれ.com

15〜18日目

  15日目

  木曜日。授業ではこの週末にある小旅行の行き先、トヴェリについて学びました。昔はモスクワとどちらが首都になるか争うくらい重要な都市だったとか、ロシア人で初めてインドに行った人がトヴェリ出身だとか。ただただ毎日ロシア語に触れる、ロシア人と話す というだけでなくて、かなりプログラムに即した授業をやってくれるので実践的で非常に楽しいです。

  お昼ご飯は大学の近所のカフェのラザニアをテイクアウトしました。グラム指定を忘れたせいでめちゃくちゃ盛られて満腹になった。こちらに来てから金銭感覚とサイズ感覚がおかしくなってしまっている。お昼ご飯で150ルーブルを超えたらめちゃくちゃ贅沢をしている気分になる(本当は300円くらい、十分お腹いっぱいになります)し、パンにしてもスープにしてもおかずにしても何にしても、手に取る前に見るのと手に取った後で見るのとでは全然量が違っていて毎日毎日取り過ぎてしまう。最近食堂の怖いおばさんがやっと世間話をしてくれるようになって非常に嬉しい。

  学校が終わった後は思い立ってサーカスのチケットを買いに行った。ホテルから学校までの乗り換え駅にボリショイサーカスがあるのだ。とはいえ日本に度々巡業にくるあのボリショイサーカスとはまた全然違う団体だそうだ、知らなかった。明日の一番安い席で600ルーブル

  帰ってからは研究を進めた。日本語の慣用句の直訳と慣用的な意味をロシア語に直して表を作る、という作業をやっていたのだけど「これは広義の翻訳作業では......」となって武者震いした。ロシア語には語彙が本当にたくさんあって、どの動詞が一番適切か、ということを辞書にあたって用例を見て文章を作る、という作業は根気がいるけれど楽しかった。

 

  16日目

  授業ではロシアのお土産について。マトリョーシカは日本のこけしが元になっているんですって。なんかぼんやり聞いたことがあるような気がするけどやっぱり不思議な感じ。後半にはユーリ・ノルシュテインの「霧の中のハリネズミ」というアニメ映画を観た。音楽と映像が素晴らしくて、話は単純なようでいて難解、だけどあまりのハリネズミの豊かさ(表情、情緒、感受性)に勝手に泣きそうになってしまって大変だった。もっと他の作品も見てみたいな、あとロシア語があんまり聞き取れなかったので字幕でちゃんと観たい。

  授業のあとはボリショイサーカス!と言いたいところなのだけど大学に携帯電話の充電器を忘れて大雨で凍えそうな寒さの中取りにかえった。事務のおばちゃんが優しくて感動したし、意思が疎通出来ていることにも感動した。

  やっとサーカスf:id:skr8823:20170918030619j:image

  一番安い席ってどこかなと思っていたら一番後ろの席で、舞台全面が観えるし結果オーライだった。サーカスは空中での派手なパフォーマンスから芸達者な虎や馬や犬からピエロ達の愉快なダンスまで、3時間くらいあったけれど全然退屈しなかった。お客さんのテンションがすごく高くて、演じている方も楽しいだろうと思ったし、舞台の文化がはるかに盛んなこちらでは観客としてのアレもよく訓練されているのだなあと感心したりした。

  わたしが気に入ったのは上から空中にさげられた輪を使って男女が踊るというやつで、陸での踊りも空中での技もあまりに軽やかで柔らかくて、重力がないみたいだった。言葉での説明がなくても(本当はあったのかもしれない)ふたりは愛し合っていてとても満ち足りているんだなとわかるような演技だった。

 

  17日目

  朝からバスに乗ってトヴェリへ向かう。バスで4時間くらい。この旅行は台湾とイギリスの大学と合同で、古いロシアの都市を体験して、向こうのロシア人と交流しようという感じらしかった。

  トヴェリに着いたらお昼ご飯を食べて、街を散歩した。トヴェリ大学の歴史学専攻の大学生が案内してくれて、天気が良かったこともあり、すごく有意義で楽しかった。人が少なくて道が広く、でもこじんまりとしていてのんびりしている。建物は新しいものばかりではなくて外壁が剥げて中のレンガがむき出しになっているものがあったり塗装が剥げているものがあったりするのも面白かった。

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  散歩の目的地は大学んキャンパスで、そこで2時間ほど交流会があった。グループに分かれて自己紹介をしあった後は伝統的なダンスを披露してもらい、伝統的な遊びをやった。この遊びがなんというか、ラッキースケベなものばかりで 驚いたんだけど結局はずいぶん楽しんだ。椅子取りゲームで勝ち残って賞品をもらうなどして恥ずかしかった。 交流会ではロシア人とだけではなくて 台湾人とイギリス人ともロシア語で話したんだけど、なんというか、ちょっと自信を持とうと思いました。驕りとかではなくて、けっこう話せる方なんだな、ということがわかったし、特にイギリス人はわたしが英語を学ぶ上でのネイティブスピーカーで、だから彼らが一生懸命外国語を話そうとしていたり、言葉がうかばなくて苦しんでいるのを見るのは新鮮だった。つまり何が言いたいのかというと、誰でも外国語を学ぶのってしんどいよな、ということで、その視点においてはわたしがときに英語母語話者と同じ目線に立つこともある、というのが新しくもあり、心強かったのだった。

 

  交流会のあとは船に乗りました。トヴェリにはヴォルガ川というめちゃくちゃ大きい川が流れていて、その川のクルージングだった。めちゃくちゃ寒かったけど素敵な体験だった。

 

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  18日目

  朝ごはんに出てきた牛乳のパッケージがかわいかった。

 

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  今日は博物館に行って伝統的なお茶会を体験した。昔のロシア人は1日に2時間も3時間もお茶会をやっていたらしい。 良いことしか喋ってはダメなので政治と病気の話はご法度だったというのが面白かった。一緒に食べるお菓子にもそれぞれ食べ方があって興味深かった。日本の茶道とは正反対のマナーがあったりもして面白い経験だった。

 

博物館にあった顔はめ 背丈がロシア人仕様で 私の身長では全然顔が出なかった、悔しい......

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  よし!こんなものかな、4日も溜めると長くなってしまうな、そもそも毎日書くつもりもあんまりなかったんですけどいつの間にかそういうことになっている。ロシアにいるのもあと10日をきりました、早い!!!!おやすみなさい!